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或る日の午後の焼まんじゅう:田中屋分店

午後の紅茶というのはあるが、午後の焼まんじゅうというのは、あまりない。しかし、男のひとりめしが午後の紅茶、アフタヌーンティーってなイメージが合うかな?

というような理屈ではなくて、理屈抜きで、その日の午後、焼きまんじゅうを食べたくなった。食べたくなったら、もう走るしかない。例によって、ブルックリンブリッジ(阪東大橋)を渡って、車をやはり男の直進!そのうち、曇って降って 
いたような空も、俺が焼きまんじゅうを買いに行くのを喜んでるかのように晴れてくる。気持ちのいい天気になってきた。Kちゃん。晴れでも焼きまんじゅうは似合うんだぜ。

そうして、辿り着いたのが、田中屋分店

なんで分店なのかというと、本店は更に進んだところにある。そこが兄さんの焼まんじゅう屋で、この分店は弟さんの店ということなんだ。だから、田中屋は兄弟店。しかし、今は、残念なことに本店は、休業中である。

「こんにちは!」店に入ると、田中のおやじさんは、20個入りくらいのクール便で送る生の焼まんじゅうの箱詰めをしていた。三つくらい。「焼きまんじゅう五個くれる?一本食べていくから、六本ね。」と言うと、わかったということで、おやじさんはさっそく炭をおこし始める。あっという間に、炭に火が付く。「いまはこの麹のまんじゅうは少ないから。」といいながら、まんじゅうを串に刺して、焼き始める。おやじさんは、加藤茶か、仲本工事かと言えば、やっぱり仲本工事だ。そうして、「たれは、三回塗るからね。」と言う。そして、「やっぱり、焼き立てを食べなきゃ。」と言う。

なんだかんだ話していると、あっという間に一本焼きあがって、おやじさんが皿にのせて、串をつけて出してくれる。「いただきます!」なるほどな。焼き立てを食べると、表面がカリカリしていて、中はホットでもっちりしていて、たれの味は香ばしくて甘みそ味でおいしい。表面のカリカリってのに今まで気付かなかったよ。こりゃ、旨いや。

実は、焼きまんじゅうは、本店がやっている時は、本店へ。本店が閉まってからは、分店へ。よくお袋を連れて、買いに来たんだ。

 文頭で焼きまんじゅうは男の食べ物みたいなことを書いたが、お袋だって好きだったし、女性も是非、「午後の焼まんじゅう」をやって欲しい。俺にしてみると、子供の時からの馴染深い味。食べたくなった時はその時がお薦めである。

田中屋分店のおやじさんは、待っている。

 

(^^)/R. Thank You !

 
 

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