以前から興味は持っていたので、龍勢のことは知っていたが、詳しいことは知らなかった。ある日、墓参りを終えてから、長瀞に出て、更に皆野、小鹿野、そして吉田町の龍勢会館に立ち寄った。二つの疑問があったからだ。どうしてまたなんのためにうちあげるのか。そして、いつごろから始まったことなのか。会館に入ると、実物が展示してあり、龍勢の制作過程が詳しく説明されている。要するに、龍勢は俺がガキの頃、よく友と挙げて飛ばしたロケット花火の超大型版である。松木を二つに割り、くり抜いて竹の箍をかけて火薬筒とし、その中に火薬を詰めそれを大きく育った竹に括り付けて発射台から飛ばす。『煙火』という。班を作りそのグループごとに特徴を持った龍勢を制作する。地元の椋神社の神に奉納するために打ち上げる。江戸時代末期ころから始まった。
今年は、10月13日が龍勢祭りだった。俺は関東に迫りくる台風の風雨のもと、その被害を気にしながら、夏のことを思い出し、『桜島』の紀行文を書いていた。その翌日である。おそらく、台風のあと、中止されるだろうと思っていた。朝、サイトで調べると、本日龍勢祭り開催しますと書いてある。同僚のKに電話すると、「台風一過で今日は龍勢日和だよ。」と言った。やるのかっ!と驚きだった。Kと仮設の中学校の駐車場で待ち合わせて、龍勢祭りに参加した。ちょっとワクワクするような気分があった。確かに台風一過の今日の空は晴れわたり、雲が広い空を流れる。会場はそこそこの賑わいで、長閑でのんびりとしたいい雰囲気である。椋神社にお参りをして、みんなが見つめそして見上げる空のもとに立つ。その日は、30団体が参加し、15分ごとに一発、龍勢を打ち上げる。奉納者が長々と口上を述べた後、「奉納!」で龍勢が打ち上げられる。カウントダウンは無い。
地上の龍は
見事に
天
に
舞い上り
雲の中に
消えた。
(^^)/R. ありがとう。
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