その後、代車に乗っているときに、小沼あたりをじっくり見てみたいなと思い、赤城山に今季、三度めの車を走らせた。標高1000mを越えたところから、道に雪が見え始めた。こんな感じだと道が凍る前に下りてくれば大丈夫だろうと思いながら、慎重に運転をしてさらに登ると、警官が立っていて、その先で車が斜めになって止まっている。危険なので、交通整理のため、ここにいるんだなと思う。その若い警官に聞いてみると、このノーマルでこの先行くのはどうだろうというようなことを言う。じゃあ、下ります!と素直に山を降りることにした。考えてみると、この時期に赤城山を走ったことがなかったので、俺はこういう状況があるということを知らなかったなと思う。この時期には、もう赤城の上には雪が降る。もっともなことだ。浅間山も真っ白だし、新潟の雪山も見える。
その後、愛車のジムニーが戻ってきて、その慣らし運転をしていると、天気もいいし、気分も良くて、なんて言ったらいいのだろう。「ラバーカムバックトゥミー♫(ジャズのスタンダード)」みたいな。そんな感じだった。気分上々で、そうだ、雪で降りた赤城をやり直そう。そして、そのまま、また赤城に向かった。
大沼は深々として、水を湛えていた。遥かに赤城神社の島が見える。空気はどこまでも澄んでいる。既に午後から夕刻に向かう赤城山。
覚満淵
そして、俺は沼に沿って最初逆時計まわりに歩き始めた。なぜかというとそっちまわりの方が祠に近いような気がしたからだ。足を止め、時計まわりに歩き始める。その方が歩き始めやすい沼沿いの小道が見えたからだ。葉を落とした木々の間を雪を踏みながら、ザクザクと歩く。ヒュッテの料理ママが言っていた。赤城の鹿に会うかもしれないなと思いながら歩く。もう、日は落ちようとしていて、さっきの二人が去ったあとでは、沼にはもう誰もいない。さらに歩きながら、熊のことが頭をよぎった。なぜなら、先程の老夫婦が、熊避けの鈴を鳴らして歩いていたから。でも俺は熊に出くわす時は、熊が出るかななどとは思ってもいないときに、突然、出くわすんだろうと思う。しかし、気づくと足早になっている。日が落ちる前に、沼を回ってしまおうという思いも手伝って。
地蔵岳
熊笹が生い茂る道を歩いていると、月が目に入ってはなれない。
流石、名月赤城山の赤城だな。
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