料金所から島の外周を走る道路をゆったりと車を進ませながら、俺はとうとう桜島まで自分の車を走らせてきて、今、まさに走っているんだなという単純な満足感がただ心を占めていた。 そもそも桜島の名前の由来は、 ①島内に木花咲耶姫命を祭る神社が在ったので島を咲耶島と呼んでいたが、いつしか転訛して桜島となった。『麑藩名勝考』『三国名勝図会』 ② 10 世紀中頃に大隅守を勤めた桜島忠信の名に由来する。『麑藩名勝考』 ③海面に一葉の桜の花が浮かんで桜島ができたという伝説に由来する。『麑藩名勝考』。この説は、焼酎の CM で紹介されたこともあり、もっとも県民に知られている。 の三説が有効らしい。②なんじゃないかと俺は思うが、①も姫の名から由来するという説も夢、ロマンがあっていいなぁと思う。 まず、ホテルに着いて、荷をおろして一服してから、桜島見学に出ようと思っていたが、ホテルを見過ごしてしまって、そのまま桜島見学に入ることになった。ホテルに入らず、まず島を見ろと桜島が言ってるんだろうと思った。 外周を自然と走っていて辿り着いたのが、北の里の展望所。元気がよくて愛想のいい奥さんが自慢の桜島大根の味噌漬けを売っている。「まず、見てきていい?」ということで、俺は島で初めて、山 ( 桜島 ) と対面した。ここからの眺めは、自然の中に立つ山が魅力だなと思う。埋もれた鳥居があったので、そこでも何枚か写真を撮った。桜島との対面が終わってから、大根の味噌漬けを試食すると、これがうまい。お土産としていくつか買うことにした。そして、奥さんが言った。「見てきたとこに鳥居あったでしょ?あれ、イミテーションだから。」「・・・・。あれイミテーションなの!ガハハハッ!」さっき、真剣きって写真を撮った埋もれた鳥居をイミテーションだと言われて思わず笑ってしまった。「これから、もう少し行くと本物があるからね。」「ありがとう。また来た時は、また寄るからね。じゃあ。」 そこから少し走ると黒神様の埋もれた鳥居が確かにある。そのそばに樹齢何年というような巨木があって、その場所は学校と隣接していた。参道を歩くと途中、学校の外の渡り廊下が横切っていた。本堂は質素なものであったが、歩く参道といい、本堂あたりとい...